ひたすら壁打ち

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田代智一×高田暁楽曲の話

 いいよねっていう話。

 作曲×編曲は色々なコンビがいる。
 今回は自分の好きなコンビ、田代智一×高田暁について書く。

 なぜこのコンビなのか。
 それは突然書きたくなったからで、特に理由はない。

 以下、敬称略。一応断っておくがカップリングの話ではない。

まず:田代智一

 やはり「ハレ晴レユカイ」の作曲者というのが世のイメージである(定量的な調査は一切してないけど断言しても間違いないと思う)。

 他には
雪、無音、窓辺にて。」(『涼宮ハルヒの憂鬱』キャラクターソング、編曲:上松範康

雪、無音、窓辺にて。

雪、無音、窓辺にて。

CHOIR JAIL」(TVA『黄昏乙女×アムネジア』OP、共編曲:浦田尚克)

CHOIR JAIL

CHOIR JAIL

「Wonder Wind」(TVA『ハヤテのごとく!!』OP、編曲:前口渉

Wonder Wind

Wonder Wind

「恋のヒメヒメぺったんこ」(TVA『弱虫ペダル』劇中歌)

恋のヒメヒメぺったんこ

恋のヒメヒメぺったんこ

などの作曲者でもあるし、近年はQ-MHzのメンバーとしても活躍されている。メロディメーカーとしての地位は揺るがない。

 試聴がないのだが、TVA『おくさまは女子高生』OPの「Love Love!Chuっ Chuっ!」は1回聴いたほうがいい。

ところで:田代智一×安藤高弘

 「ハレ晴レ」編曲の安藤高弘と田代のコンビは最強だ。以下の楽曲タイトルを見れば明らかであろう。

ハルヒ関係

「止マレ!」(TVA『涼宮ハルヒの憂鬱』2期ED)

「最終未来を見せて!」

「世界が夢見るユメノナカ」

「最強パレパレード」

(「最強パレパレード」は最近モールス信号のリズムがTwitterで話題になっていたが、これが田代×安藤コンビなんだよな~と思ったのに、作編曲者に言及している人があまりいなかったのは残念であった)

TVアニメの主題歌

魔法少女マジカルたん!」(TVA『もえたん』OP)

魔法少女マジカルたん!

魔法少女マジカルたん!

「LOVE×HEAVEN」(TVA『れでぃ×ばと!』OP)

LOVE×HEAVEN

LOVE×HEAVEN

「Days」(TVA『ながされて藍蘭島』OP)

Days

Days

「ワンウェイ両想い」(TVA『けんぷファー』ED)

ワンウェイ両想い

ワンウェイ両想い

などがある。

 どれも好きなのだが、1曲だけ選ぶなら「Days」を選ぶかなあ(明日の自分に訊いたら、別の曲を選ぶかもしれないが。それくらいどれも良い)。うーん、でも「LOVE ×HEAVEN」かなあ、やっぱ。。。
 ちなみに『咲-Saki-』や『NEEDLESS』、『らき☆すた』のキャラソンなども田代×安藤コンビの楽曲があるので良かったら是非。

 余談はここまで。
 というのも田代×安藤コンビの楽曲は最強すぎるし、自分がわざわざ何か書く理由もない気がする。だから今回は作曲が田代智一で、編曲が高田暁の楽曲の話をする。
 失礼を承知で書くが、田代×高田コンビの楽曲はそんなに知名度が高くない。でもだからこそ書く価値があるのだ。

さて:高田暁

 高田暁は『ラブライブ!』をはじめとして『アイドルマスター ミリオンスターズ』などのアイドル作品への楽曲提供が多い。2次元アイドルだけでなく、声優ユニットスフィアやStylipSにも楽曲提供しているし、NMB48の「僕らのユリイカ」はアニメを観ない人でも知っているだろう(このブログを見に来るような人はアニソンを聴く層が大半のような気がするので説明不要の感もある)。

僕らのユリイカ

僕らのユリイカ

 ちなみに高田暁楽曲は素晴らしく、別記事にしたほうが良いくらい語れる。ここでは好きな曲をとりあえずあげておく。
「君にまつわるミステリー」(『氷菓』ED)

「Choose me♡ダーリン」(『この中に1人、妹がいる!』OP)

Choose me♡ダーリン

Choose me♡ダーリン

「Heavenly Lover」(『〃』ED)

Heavenly Lover

Heavenly Lover

Pride on Everyday」(『バクマン。』ED)

Pride on Everyday

Pride on Everyday

  • スフィア
  • アニメ
  • ¥250

「BINKAN♡あてんしょん」(『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』OP)

BINKAN♡あてんしょん

BINKAN♡あてんしょん

(ところでぜんぜん関係ないが、高田暁個人サイトのWorks欄がそのままWikipediaを埋め込んでいるのはめちゃくちゃ面白い。)

本題:田代智一×高田暁

 事前説明はこれくらいで良かろう。
 上述のような田代智一高田暁のコンビによる楽曲は、クレジットを見ただけでワクワクする。だからといって、キャッチーなメロディのアイドルアニメ楽曲ばかりが来るかといえば、そうは問屋が卸さない。

 以下5曲について書く。文章は読まなくていいので、とにかく曲を聴いてほしい。
 順不同。

ぎゅっとBABY☆愛なんだBABY(2011)

OVABaby Princess 3Dぱらだいす0』OP
歌:蛍・氷柱・星花(内田彩藤田咲三森すずこ
作詞:畑亜貴

 1つ目。たぶん田代×高田コンビでいちばん有名だと思う。とにかくポップでキャッチーで、CMでサビの一部を聴いて、購入を即決した記憶がある。

 作品が「電撃G'sマガジン」ד公野櫻子”ということでランティスのページには「『Baby Princess 3Dぱらだいす0』WEBラジオのパーソナリティを務める藤田 咲に加え、同じく公野作品の『ラブライブ!』のメンバーでもある“内田 彩”と“三森すずこ”も歌います!」と書いてある。

 宣伝文句だとしても、『ラブライブ!』の名前を出してしまうのはあまりに身も蓋もない気がする。とはいえメインターゲット層なだけあって、曲調も『ラブライブ!』ファンには親しみやすい。作詞が畑亜貴だからというのは言うまでもなく、編曲の高田暁もμ'sの1st「僕らのLIVE 君とのLIFE」、3rd「夏色えがおで1,2,Jump!」などのアレンジをしているといえば、誰しも合点がいくだろう。

 御託を並べずとも一聴すればすべて分かる。キャッチーなメロディのアイドルアニメ楽曲、ここに極まれり(しかし試聴が貼れないので、各自探して聴いてほしい)。

Girlish my MIGHT(2009)

『宇宙をかけるラジオ』OP
歌:獅子堂秋葉(MAKO
作詞:畑亜貴
 
 2つ目。TVアニメ『宇宙をかける少女』ED「宇宙は少女のともだちさっ」(作曲:山口朗彦 編曲:大久保薫)はかなりエネルギッシュな楽曲なのだが、c/wのこの曲も負けていない。
 ライブで映えそうな疾走感に加え、“行け!行け!”や“飛べ!飛べ!”などのコールや、キャラクターのセリフが入っていて、とにかくノリやすく盛り上がる楽曲なのだ。あと乙女らしい歌詞がかわいい。
 Bメロからサビへの解放感もたまらない。Aメロ、Bメロ、サビとメロディの域がだんだん広がっていくからなんだと思う(楽理は分からないが)。
 これも試聴が貼れなかったので、各々探して聴いてほしい。

あんたなんか!(2010)

TVA『みつどもえ』キャラクターソング
歌:杉崎みく&丸井みつば(斎藤千和高垣彩陽
作詞:yozuca*

あんたなんか!

あんたなんか!

 3つ目。小学生女子のデュエット曲は、掛け合いというよりも足の引っ張り合いで、yozuca*が作詞しているのが信じられないような歌詞である。Aメロ、Bメロとラップ調でバチバチにやり合うのが愉快なのだが、毒気はあってもイヤミがない詞が、好戦的な曲調と相俟ってコミカルに聴ける。
 ハッキリ言って“頭の悪い楽曲”なのだが、イントロからギターがカッコイイし、キメキメで、小学生とはいえ感情のぶつかり合いはガチであることを思い知らされる。
 間奏のサンプリングされたセリフ、そして大サビでの歩み寄りを匂わせてからのオチまで完璧なので、ラストまで聴いてほしい。

予感、咲きました!(2009)

TVA『咲 -Saki-』キャラクターソング
歌:宮永咲植田佳奈
作詞:畑亜貴

 4つ目。アルバム『咲-Saki- THE 夢のヒットスクエア』に収録されている。
 イントロからAメロの転調(たぶん長2度下)が唐突で、いきなりAメロ暗いな!と感じるのだが、Bメロを経て、サビで帰ってくるとこれが明るく感じられる。この明るさが、予感が咲いたことを音から表現しているように思える。
 またサウンドから感じられる浮遊感やキラキラ感が、曖昧なんだけどもしっかり期待や希望を伝えてくれる。詞と曲が同じ方向を向いていると強いなあ。

(ちなみに同じアルバム収録の田代智一の楽曲「逃しません…ですわ!」(歌:龍門渕透華(茅原実里)、編曲:近藤昭雄)はめちゃめちゃオシャレで、超オススメ。この記事の流れで言うなよ……という話ではあるが。)

タタカエ☆モラリズム(2009)

TVA『けんぷファー』キャラクターソング
歌:瀬能ナツル(井上麻里奈)・沙倉楓(中島愛
作詞:こだまさおり

タタカエ☆モラリズム

タタカエ☆モラリズム

 5つ目。最後に紹介するにしてはあまり派手な曲とも言えないのだが、エンディング然としていて味わい深い。
 「ワンウェイ両想い」のc/wとして収録されている同曲は、田代のメロディセンスもさることながら、高田のアレンジが輝いている。
 ウィスパーボイスやサビの後ろでフシギなリズムをポコポコ刻んでいる楽器があるが、トロピカルな印象でこれがすごく良い(楽器の名前もリズムの名称もよく知らないが、とにかく良い)。

おわりに

 お気付きだと思うが、田代智一×高田暁楽曲は2009~2011年、ランティスレーベルから発売されたキャラクターソングが中心である。
 おそらく当時のランティスプロデューサーの采配によって誕生した偶然の組み合わせなんじゃないかと思う。だからきっとこれから新しい田代×高田楽曲を耳にすることはないだろう。

 キャラソンアルバム収録曲やカップリング曲となると、自然に聴けるチャンスは少ないし、アニメ放送から何年も経過してしまうとイベントで披露される機会もほとんどない。しかし作家は本気で作っているから、意外な面白い楽曲が眠っているし、動画サイトやサブスクリプションサービスで1曲単位で気軽に聴けるようになった今だからこそ掘り起こす意義もある。

 それではまた、何か書きたくなったら。

2018年アニメ音楽10選

眠れないのと、流行ってるのとで書こうと思った(軽率)。

でもどれが今年の曲なのか分からないし、そもそもあんまりアニメの音楽を聴けていない。

だから知ってる中から、思いついた順に書いた。
一応、今年CDとして発売された楽曲ということで。れでぃごー。

1、「トキメキアンテナ」
歌:るか・りえ・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:こだまさおり
作曲・編曲:石濱 翔(MONACA

【アイカツ!フォトonステージ!!】オリジナル新曲ルミナス「トキメキアンテナ」プロモーションムービー(フォトカツ!)
Kawaii make MY day!」と同じくらい好き。
石濱さんは「Pretty Liar」もめちゃめちゃよかったけど、CDが出てないから対象外になった。ごめんな。


2、「†吸tie Ladies†」
歌:ソフィー・トワイライト (富田美憂), 天野灯 (篠原 侑), 夏木ひなた (Lynn) & エリー (和氣あず未)
作詞・作曲・編曲:園田健太郎

†吸tie Ladies†

†吸tie Ladies†

  • ソフィー・トワイライト (CV: 富田美憂), 天野灯 (CV: 篠原 侑), 夏木ひなた (CV: Lynn) & エリー (CV: 和氣あず未)
  • アニメ
  • ¥250
「夜に起きて昼寝る そんな存在がいてもいい」は私信。ところでアニメはまだ1話も観ていない。


3、「ノスタルジックレインフォール」
歌:CHICO with HoneyWorks
作詞・作曲・編曲:HoneyWorks

CHICO with HoneyWorks『ノスタルジックレインフォール』
アニメがよかった補正込み。こういう曲の終わり方、カッコいいよね。


4、「オトモダチフィルム」
歌:オーイシマサヨシ
作詞・作曲・編曲:大石昌良

オーイシさんはOxTの「UNION」もよかったけど、こっちが好き。『多田くんは恋をしない』はEDも好きで、石見さんの声がよかった。


5、「未来エピローグ」
歌:衛藤可奈美(本渡楓)、十条姫和(大西沙織)、柳瀬舞衣(和氣あず未)、糸見沙耶香(木野日菜)、益子薫(松田利冴)、古波蔵エレン(鈴木絵理
作詞・作曲・編曲:Motokiyo

未来エピローグ

未来エピローグ

Motokiyoさんは個人的に近年アツい。


6、「逆光」
歌・作詞:坂本真綾
作曲:伊澤一葉
編曲:伊澤一葉、江口 亮

逆光

逆光

友人に薦められたから聴いた。なんか超よかった。「Be mine!」ぶりの坂本真綾さん、超超よかった。


7、「Bitter Silver」
歌:空銀子(金元寿子)
作詞:ミズノゲンキ
作曲・編曲:睦月周平

「りゅうおうのおしごと!」Blu-ray Vol.2 封入特典キャラクターソング ダイジェスト試聴
姉弟子はかわいい。


8、「リコリスの森」
歌:一十木音也(寺島拓篤)・一ノ瀬トキヤ(宮野真守)・神宮寺レン(諏訪部順一)・愛島セシル(鳥海浩輔
作詞:上松範康Elements Garden
作曲・編曲:藤田淳平Elements Garden

リコリスの森

リコリスの森

藤田淳平教徒としては今年はこれ。みんな「While ambitions」大好きみたいだけど。


9、「Hollow love」
歌:レナ(内田真礼
作詞:桑島由一
作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden

Hollow love

Hollow love

「この道をあなたと」も秀逸だった。超好き。歴代のエレガ楽曲の中でもトップクラスにお気に入り。


10、「ガールズコード」
歌:Poppin'Party
作詞:中村 航
作曲・編曲:藤永龍太郎Elements Garden

ガールズコード

ガールズコード

  • Poppin'Party
  • アニメ
  • ¥250
エモかった。バンドリはいいね。
藤永さんの人気がどんどん上がっていくのを感じた1年だった(誰目線)


エレガ楽曲が多いのは、追わなきゃと思って頑張ってたからで、下半期はアニメをぜんぜん見られなかったからアニメの曲は正直あんまり分からなかった。

フェスもアニクラも行かないので新しい音楽にも触れる機会ないし。逆にみんな、アニメや声優の曲詳しすぎじゃない?


CD化されてないけど、今年はVの者(バーチャルYouTuber)のイメージソングもめっちゃよかったね。プロたちが作ってた。

アドベントの記事をこっそり毎日読んでたけど、クッソエモかった。イメソン部、ひそかに応援してる。KANA-DERO、楽しみにしてる。


来年も消費者としてたのしむぞい。

2010年代の代表的アニソン作家3人

結論から書く。田中秀和堀江晶太田淵智也。以上3人だ。

* * *

今から遡ること数年、00年代(2000~2009年)のアニソンを総括する番組がNHK BS2で放送された。その番組のコーナー「00年代アニソン酒話」では神前暁上松範康田代智一という時代を彩った作曲家3人による鼎談がなされた。

神前暁といえば、音楽クリエイター集団MONACAに所属し、『らき☆すた』のOP「もってけ!セーラーふく」やキャラクターソング、『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇伴・挿入歌「God knows...」、『かんなぎ』の劇伴・主題歌「motto☆派手にね!」、『〈物語〉シリーズ』の劇伴、主題歌などなど挙げきれないほどの名曲を作った、言わずと知れた作曲家である。神前の楽曲を、略して“神曲”と呼んでも一切過言ではない。

上松範康は、音楽クリエイター集団Elements Garden代表にして『魔法少女リリカルなのはA's』OP「ETERNAL BLAZE」や『H2O』OP「片翼のイカロス」、『ロザリオとバンパイア CAPU2』OP「DISCOTHEQUE」、『WHITE ALBUM』OP「深愛」などの有名楽曲を手がけたスーパーメロディメーカーである。2009年末紅白歌合戦の舞台に引き上げた立役者であり、2010年代には原案を務める『うたの☆プリンスさまっ♪』や『戦姫絶唱シンフォギア』を大きく花開かせた。上松の上(あげ)は時代を意味する英語Ageで間違いない。Agematsu ageだ。

田代智一は『ながされて藍蘭島』OP「Days」、『あかね色に染まる坂』OP「初恋パラシュート」といった楽曲のほか、アニソンにパラダイムシフトを起こした『涼宮ハルヒの憂鬱』ED「ハレ晴レユカイ」の作曲者である。他にもキャラクターソング「雪、無音、窓辺にて。」(編曲は上松範康)なども広く知られていよう。なお2010年代には『弱虫ペダル』挿入歌「恋のヒメヒメぺったんこ」の作編曲や音楽クリエイター集団Q-MHzのメンバーとしても活躍している。田代はさながらアニソン史に燦然と輝く城郭、“た城”と呼んでもいいだろう。


人の名前で遊ぶのはこの辺にして、アニソン酒話の放映から8年が経過した。2018年、まもなく2010年代も終わろうとしている。00年代を「ゼロ年代」と言うように、2010年代は「テン年代」という言い方があるようだが、ブログタイトルは2010年代という呼称を用いる(なお平成という元号が終わりそうなので、平成のアニソン総括もすべきなのであろうが扱わないし、それは筆者力不足のため扱えない)。

前置きが長くなった。だがここからも長い。

ゼロ年代を代表するアニソン作曲家が神前、上松、田代の3人だとして、テン年代を代表するアニソン作曲家3人を挙げるとしたら誰が妥当か、それを考えるのが本記事の目的である。


2010年代のヒット曲をつくった作曲家といえば『魔法少女まどか☆マギカ』OP「コネクト」や『ソードアート・オンライン』OP「crossing field」の渡辺翔、『日常』OP「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイーC」や『モーレツ宇宙海賊』OP「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」の前山田健一ヒャダイン)、『中二病でも恋がしたい!』OP「Sparking Daydream」や『ようこそ実力至上主義の教室へ』OP「カーストルーム」、劇場版『ラブライブ!』挿入歌「それは僕たちの光」のZAQ、『月刊少女野崎くん』OP「キミじゃなきゃダメみたい」や『けものフレンズ』OP「ようこそジャパリパークへ」の大石昌良など枚挙に暇がない。Tom-H@ck黒須克彦宮崎誠俊龍高田暁山口朗彦、kz、ヒゲドライバー佐藤純一滝澤俊輔睦月周平中山真斗加藤裕介、やしきん、増谷賢、北川勝利、清竜人本多友紀、EFFY、園田健太郎y0c1eなども挙げたい(個人的趣味を中心に挙げてみたが、ホントに言及しきれない)。いや神前、上松、田代の活躍も見逃せないので、ゼロ年代からの2冠でも良いかもしれない。はたまた「紅蓮の弓矢」のrevoや「前前前世」の野田洋次郎も含むかもしれない。


しかし!ただ!敢えて3人!3人だけを挙げるならば!筆者は以下の3人を挙げたい。

それは田中秀和堀江晶太田淵智也である。以下、彼らの推しポイントを書く。

田中秀和MONACA所属で、神前の弟子にあたる作曲家である。彼の楽曲は『這い寄れ!ニャル子さん』OP「太陽曰く燃えよカオス」、『這い寄れ!ニャル子さんW』OP「恋は渾沌の隷也」、『アイカツ!』ED「カレンダーガール」、『ハナヤマタ』OP「花ハ踊レヤいろはにほ」など、その作品ファンでなくとも一度ならず耳にしたことがあるであろう名前がズラリと並ぶ。『Wake Up, Girls!』では挿入歌「極上スマイル」や劇場版主題歌「Beyond the Bottom」「少女交響曲」、キャラクターソング「オオカミとピアノ」「ステラドライブ」など同作のファンが熱烈に支持する楽曲の多くを担当しており、「Polaris」はファン人気投票で1位を獲得するほどであった。さらに、『アイドルマスター シンデレラガールズ』OP『Star!!』、『灼熱の卓球娘』OP「灼熱スイッチ」などの楽曲のメロディや独特のコード進行が後続の作曲家に与えている影響は計り知れない。例えば最近の筆者のお気に入りであるバーチャルライバーVTuber月ノ美兎のテーマソングともいえる「Moon!!」(作詞・作編曲:iru)は構成などから「Star!!」の影響が強く覗える。また、もこ田めめめのイメージソングである「めめめドリーミング」(作編曲:Aire)もコード進行などから田中秀和成分を感じとれる。これはVTuberが流行れば流行るほど、MONACA 田中秀和の功績も高まることを意味するのではないだろうか……?などと思いながら聴くこともしばしばである。
田中秀和、彼は有無を言わせずテン年代アニソン作曲家に相応しい人物であろう。ゼロ年代を代表する作曲家神前暁のもとに、田中秀和の活躍がある。このことは肇国以来の寿ぐべき歴史的大事件であり、また彼らの所属するMONACAは、大ヒットゲーム『ニーア』シリーズの音楽などを手がけた代表岡部啓一、『アイドルマスター』の楽曲「MEGARE!」や劇場版の劇伴を担当した高田龍一、『アイカツ!』シリーズでファンから絶大の支持を集める楽曲の数々を生んだ石濱翔、忍者帆足圭吾、奇想天外でアグレッシブな楽曲を作る広川恵一など逸材揃いであり、今後もアニメの音楽を率いていくに違いない。

続いては堀江晶太である。ボカロP、kemuとして「六兆年と一夜物語」「敗北の少年」「地球最後の告白を」などの有名楽曲を制作したほか、PENGUIN RESEARCHのメンバーとして『デュラララ!!×2 結』OP「ジョーカーに宜しく」や『Re:LIFE』OP「ボタン」などを作曲している。彼はアーティスト提供曲もキャッチーな楽曲揃いであり、『無彩限のファントムワールド』ED「純真Always」、『ばくおん!!』OP「FEEL×ALIVE」、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』OP「Sincerely」など多くの主題歌を担当した。特に『魔法科高校の劣等生』OP「Rising Hope」(作詞・作曲は田淵智也)は、これもまた2010年代を代表するアニソンといえるだろう。一聴でわかるほどの記名性の高さは堀江節とでも呼ぶべきものであり、激烈なパワーとスピードが炸裂したかと思えば、心の琴線に触れる優しいピアノが染み渡る達成感すら覚えるメロディセンスが発揮されることもある。本論とは少し逸れるかもしれないが、美少女ゲーム『ちいさな彼女の小夜曲』OP「マリンブルーに沿って」など流れるような爽快感も魅力であり、同曲やシリーズの楽曲の根強いファンも多い。唯一無二、堀江楽曲の快感はライブで最も映えるものであり、こうした楽曲の方向性は今後も継承されていくものと信じる。

一般の人でもその名をご存知であろう、田淵智也UNISON SQUARE GARDENのメンバーであり、『TIGER & BUNNY』OP「オリオンをなぞる」、『夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜』OP「桜のあと (all quartets lead to the?) 」、『血界戦線』ED「シュガーソングとビターステップ」などなど、ユニゾンの楽曲はアニソンファンにもどんどん求められるようになる。彼によるアーティスト提供楽曲は『となりの怪物くん』OP「Q&Aリサイタル!」、『俺、ツインテールになります』OP「ギミー!レボリューション」、劇場版『ソードアート・オンライン』主題歌「Catch the Moment」などフェス型のアニソンライブでも誰もが知っているアンセムばかりである。とにかくノれるポップでキャッチーなメロディ、そして口ずさみたくなるリズム感のいいリリックは中毒性が高い。好きになっちゃうビームでも出ているのではなかろうか。なおゼロ年代代表作曲家の田代智一とは「田○智○」つながりで、「田っ智レディオ」というネットラジオ番組を制作しているほか、『夜桜四重奏』つながりで畑亜貴黒須克彦とともにQ-MHzを結成、アーティストへの楽曲提供、プロデュースも行っている。いわゆるアニソン的枠組みでは括れない活躍のおかげで、却ってアニソンのファン層が拡大させた功績はあまりにも大きい。

田中秀和堀江晶太田淵智也。この3人をテン年代を代表する作曲家としたのは、上記の優れた楽曲群の評価だけに由来するわけではない。近年のアニソンに彼らの楽曲の影響が多く感じられるからでもあり、2020年代に有名になるアニソン作家は彼らをリスペクトして、作家の道を志す者が少なからずいると信じるからである。


* * *

以上はひたすら印象論である。
ただし、筆者と同じようなことを考えたことのある者のみ共感しうる内容であろう。大いに賛成する者があれば追随して作曲家を讃える記事を書いてほしい。

しかし一方で読者は時に反発を覚えるであろう。それも筆者の望むところである。この記事によって、2010年代のアニソンを総括し、また個々人の基準によって代表的作家を3人選出する。そうした議論の機運が盛り上がれば、嬉しく思う。

ところで田中、堀江、田淵の鼎談が見たい。聞きたい。誰か頼む!強く頼む!!