ひたすら壁打ち

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2019年Elements Garden楽曲10選

 今年もこの時期がやってきました(大晦日

 都合で5時30分に起きなければいけない(コミケに買い物にいくわけではない)のですが、10選だけは絶対にやらねばならぬと不退転の決意で書き始めました。エレガ楽曲10選。

 悩んだ部分もありますが、とりあえず以下を選出。簡単な感想も付けつつ、ご紹介します。れでぃごー。

1、Expose 'Burn out!!!' / RAISE A SUILEN

作詞:織田あすかElements Garden
作曲・編曲:菊田大介Elements Garden

EXPOSE 'Burn out!!!'

EXPOSE 'Burn out!!!'

  • RAISE A SUILEN
  • アニメ
  • ¥255


【公式】RAISE A SUILEN「EXPOSE ‘Burn out!!!’」ライブFull映像【Poppin'Party×SILENT SIREN 「NO GIRL NO CRY」DAY2】

 『BanG Dream!』より、RAISE A SUILEN 2ndシングル『A DECLARATION OF ×××』収録。
 シンセサウンド&重低音ゴリゴリ&ワイルドな声&キュートなラップが融合したロック。聴いてみると間違いなくアニメ系の雰囲気なのですが、アニメ系の曲だと断言されると否定したくなる、そういうバランスの楽曲。
 武道館でRASのパフォーマンスを目にして、これはスゴい!となってしまい、これはスゴい!以外の言葉を失いました。2番あとの大サビの裏でピアノが際立っているところが特に好き。
 YouTubeのほうはライブ映像なので、これをみて空気感を感じてほしいですね。

2、絶対的★N・A・G・I / 帝 ナギ(CV: 代永 翼)

作詞:織田あすかElements Garden
作曲・編曲:都丸椋太(Elements Garden

絶対的★N・A・G・I

絶対的★N・A・G・I

  • 帝 ナギ(CV.代永 翼)
  • アニメ
  • ¥250

 『うたの☆プリンスさまっ♪』より『HE★VENS Mini Album アンセム フォー ジ エンジェル』収録。うたプリのユニットHE★VENSメンバーのソロ曲が収録されたミニアルバムから1曲。
 帝ナギというアイドルは宇宙一キュートでワガママで、頭脳明晰で、13歳らしからぬプロ精神をもち、小悪魔的であざとくて、実は仲間想いで、ファンサービスが最高の存在なのですが、その要素がすべて詰まった可愛くてカッコ良くてシビれる楽曲です。
 ギターの動きがヤバい。メタルサウンド、めちゃくちゃ最高。歌詞もスゴくナギらしくて好きなんですよね。最高。それにしてもこの曲「ナギ」って何回言ってるんだ……?

3、Clover / トーカ(CV: 佐倉綾音

作詞:桑島由一
作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden

Clover

Clover

 『グリザイア:ファントムトリガーVol.vol.6&5.5』特典楽曲。2019年5月からは配信もされています。
 グリザイアPTのキャラクターソングは今のところすべてバンドサウンド系楽曲なのですが、ピアノが、ギターがとにかく心地良すぎる。
 「Clover」はストリングスがまた最高なんですね。確かストリングスは真部裕さんだったはず。
 毎回2番Bメロの歌詞「新しい靴は少し窮屈だけど輝いてる」の部分、「くつ」の駄洒落か?となってしまうのですが、これを言ったら絶対トーカに怒られるんだろうなあ。
 作編曲は藤間さん。単に藤間さんのバンド楽曲が好きなだけまである。心にまっすぐ響く切なさと前向きさとを感じるんです。そういえばまだリリースされておらず、今年の10選からは漏れたのですが、ガルパの以下の2曲もマジでスゴいです。
・Sasanqua / Afterglow
・SAKURA MEMORIES / Poppin'Party

 冷静に考えるとAfterglowも歌ってるの佐倉綾音さんですね。トーカは幼めな感じで、美竹蘭ちゃんはクールで大人びた感じで歌い分けられていますが、同じ人が作編曲して、同じ人が歌っている別コンテンツの楽曲を聴き比べるの面白いですね。

4、未完成愛Mapputatsu! / 暁 切歌(CV: 茅野愛衣)/未熟少女Buttagiri! / 月読 調(CV: 南條愛乃

作詞:上松範康Elements Garden
作曲:菊田大介Elements Garden
編曲:都丸椋太(Elements Garden)/笠井雄太(Elements Garden

未完成愛Mapputatsu!

未完成愛Mapputatsu!

未熟少女Buttagiri!

未熟少女Buttagiri!

 TVアニメ『戦姫絶唱シンフォギアXV』挿入歌。あろうことか、ひと枠で2曲選んでますが、1曲カウントさせてください。合体曲である「Cutting Edge×2 Ready go!」の発売が2020年なので、ホント許してほしい。
 まず「未完成愛Mapputatsu!」、愛と書いてラブと読む。こちらは都丸さんの編曲。馬渕直純さんの弾くギターもめちゃくちゃにぶっ放されているのですが、高尾奏之介さんが弾くジャジーなピアノが変態的すぎます。適合者(シンフォギアのファン)のみなさんはご存知と思いますが、切ちゃん楽曲は『戦姫絶唱シンフォギアG』以来、ずっとピアノが変態的です。こんなの好きでしかない。
 そして「未熟少女Buttagiri!」、こちらは普通にみじゅくしょうじょ。編曲は笠井さん。イントロは暗めな印象なのに、アウトロが明るめなの、めちゃくちゃいい。歌詞をみると1番の出だしは「予習したの殺戮方法」、2番では「バラバラにヤることがやっとわかったの 痛がっても躊躇わないこと」とめちゃくちゃ物騒なのですが、次第に絆を歌う内容になっていて、曲調と歌詞の雰囲気がバチバチにリンクしているんですよね。良い。調の楽曲は『G』以来電子サウンドですが、今回は電子電子してる感じじゃないのも新鮮です。

 『XV』からは、スフォルツァンドの残響 / キャロル・マールス・ディーンハイム(CV: 水瀬いのり)も選びたかったのですが、こちらも2020年1月発売とのことで漏れました。メロディもアレンジも圧倒的でした。
 ちなみにこの「スフォルツァンドの残響」について、友人が「高くつくぞ 俺の歌は」という歌詞に対して「円盤特典だから(価格が)高くつくんだよな」みたいなこと言ってたの、死ぬほど笑いました。……地に平伏します。


「スフォルツァンドの残響」キャロル(CV:水瀬いのり)試聴動画


5、時のジュエル / 一ノ瀬トキヤ(CV: 宮野真守

作詞・作曲:上松範康Elements Garden
編曲:菊田大介Elements Garden

時のジュエル

時のジュエル

 『うたの☆プリンスさまっ♪ソロベストアルバム』より。
 これが「得意楽器:ボーカル」の男の楽曲なんだよな。どことなく懐かしい感じのするメロディは実家のような安心感。この曲に出会う前からこの曲を知っていた気がする。なのに新鮮な感動がある。
 上松範康×菊田大介楽曲に今までハズレがあった例しがないことは古事記にも書いてありますが、大当たりが出てしまって、安心しているのに興奮が抑えられませんでした。コレコレコレコレ!!!!
 ソロベストアルバムの楽曲だと、個人的には真斗の「真なる旋律は最愛を歌う」と那月の「月ノ唄」もノミネートしていたのですが、トキヤがあまりにアイドルすぎて、解釈がわかり手すぎたので、脳内会議全会一致で選出されました。強い楽曲を前に人間はあまりに無力、皆オタクになってしまう。

6、エイミー / 茅原実里

作詞:茅原実里
作曲・編曲:菊田大介Elements Garden

エイミー

エイミー


茅原実里「エイミー」 MV Full Size 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』ED主題歌

 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』主題歌。
 優美な3拍子のワルツが印象的で、劇中に出てきた舞踏会のシーンが目に浮かぶようです。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という物語は、とても優しくて「愛」に満ちた物語なのですが、そういう作品の世界観を音楽にすると、こういう曲になるんだろうなと。
 作詞は茅原実里さんがされていますが、人の名前というのは魔法の言葉で、名前を呼ぶという行為はいちばん単純なようで、いちばん相手に気持ちが伝わる行為なんじゃないかと改めて思いましたね。
 2019年はたいへん傷ましい事件があったこともあり、「エイミー」を聴くたびに神妙なといいますか、ある種の特別な気持ちになります。でもそれは決してマイナスな感情ではなくて、むしろ「ありがとう」という感謝の感情がいちばん近いような気がします。周りのすべての生活している人に対して、感謝と愛おしい気持ちが芽生える、そんな楽曲なのです。

7、きゅ~まい*flower / Pastel*Palettes

作詞:織田あすかElements Garden
作曲:末益涼太Elements Garden
編曲:竹田祐介(Elements Garden

きゅ〜まい*flower

きゅ〜まい*flower

BanG Dream! 2nd Season』より。
 パスパレ楽曲の基礎を築いた末益さんのメロディセンスですよね、もれなくポップでキャッチーで聴くとパワーをもらえる、そんな楽曲です。
 アレンジは竹田さん。パスパレのカバー曲「Fantastic future」、オリジナル曲「ぎゅっDays♪」のポップさから間違いないと思っていましたが、マジで間違いなかったですね。
 竹田祐介さんは今年どんどん頭角を現されてきましたが、デジタル系の楽曲が強いなあと思いました(主に相羽あいな「ParadoX」の印象)。またガルパのカバー曲でもアレンジのバランスがめちゃくちゃ好みなんですよね。ですので、来年以降の活躍をとても楽しみにしています。
 さて曲の話に戻りますが、『BanG Dream! FILM LIVE』でも「きゅ~まい*flower」が流れますが、劇場の音響で聴いてもよすぎる~となってしまいました。結局オタクはこういう曲がいちばん好きなのかもしれない。
 なお『BanG Dream! 2nd Season』からは、Afterglowの「ON YOUR MARK」、ハロー、ハッピーワールド!の「えがお・シング・あ・ソング」と3曲でどれを選ぶかとても迷ったのですが、やはり竹田祐介さんを推したい気持ちがあったので「きゅ~まい*flower」が選出されました。
 バンドリは曲数多いですし、またエレガかよと言う意見もたまに見かけるのですが、楽曲を真剣に聴いたほうがいいですよ。少なくともこのパスパレ、アフグロ、ハロハピの3曲はしっかり聴くべき。

8、華麗なる予告状 / 怪盗団アカツキ

作詞・作曲:ZAQ
編曲:藤田淳平Elements Garden

華麗なる予告状

華麗なる予告状

 


【荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!】怪盗団アカツキ「華麗なる予告状」試聴動画

 『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』楽曲。ある日突然配信されてビックリしてしまいました。
 ジャジーでムーディな雰囲気がいかにもZAQさんらしくて、声優さんたちの歌い方にもどことなくZAQさんの生き霊を感じます(大サビのあとのウォウウォウしているところとか)。
 それを淳平さんがさらに磨きあげている楽曲。ピアノもホーンセクションも楽しい。間奏から大サビのピアノがクールでアダルティでスゴく良いです。
 怪盗団アカツキのメンバーはロイグ (CV: 高橋未奈美)、モア (CV: 関根 瞳)、レンジ (CV: 藤原夏海)、リガル (CV: 大西沙織)、ベッグ (CV: 赤尾ひかる)、カラン (CV: 凉本あきほ)の6人。
 選出理由を正直にいうと、1番のAメロ後半でリガルのセリフ「チョロいもんね」が入るのですが、しょうみの話、これがめちゃくちゃ性癖にド直球ストレートすぎて、好きになってしまいました。我ながらチョロい……。

9、カルペディエム / 水樹奈々

作詞:ヨシダタクミ
作曲:上松範康Elements Garden
編曲:藤永龍太郎Elements Garden

カルペディエム

カルペディエム

 アルバム『CANNONBALL RUNNING』より。
 なんだこの曲は!?(褒めてる) 上松範康が作曲???と混乱してしまいました。こんな曲も作れるのか、どこにこんな引き出しがあるのか、これがトップを走るプロの作曲家なのかという衝撃が一気にきました。
 そしてアレンジは藤永龍太郎………え……藤永龍太郎!?!?となりました。混乱しすぎて思わずフルネーム呼び捨てにしてしまうレベル。
 Elements Gardenの未来はたぶんこの方向にあるんじゃないかと予感した1曲。
 実は水樹奈々さんの曲だと、今年は「FINAL COMMANDER」が優勝!みたいに思っていて、実際初めて聴いたときは「うおおお、これが俺たちの上松×菊田楽曲!!!!」みたいな興奮に包まれ、ポケモンのセキエイこうげんに来た時の緊張感を感じていたんですけれども、「カルペディエム」は全くの予想外すぎて、凄烈な衝撃をくらったので、これを選ばないならエレガファンなぞ辞めちまえと思いました。いやあ、好きですね。
 ちなみにこの「カルペディエム」のあと、上松×藤永タッグでPoppin'Partyの午後の紅茶コラボ曲「White Afternoon」が発表されて、それでも予想のつかなさにひっくり返ったので、それも込みでの選出となりました。

10、マジLOVEキングダム / ST☆RISHQUARTET NIGHTHE★VENS

作詞・作曲:上松範康Elements Garden
編曲:岩橋星実Elements Garden


「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVEキングダム」スペシャルライブPV 第2弾

サブスク・配信なし。

『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』挿入歌。Blu-ray&DVDの特典楽曲です。
 映画で使用された尺のLive Sizeはアルバム『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム SET LIST』にも収録されています。
 いや、2019年のElements Garden楽曲、これ以外にあるか???(そりゃあるだろ)
 映画終盤、ライブからのひとりひとりの挨拶をじっくり聴いて、歴代シリーズの物語に思いを馳せつつ、その上での18人で歌う新曲「マジLOVEキングダム」。泣かない訳がない。
 そして歌詞がズルいですよね。特に2番のね!1000%、2000%、革命、伝説。これはもちろんプリンスたちからのメッセージなワケですけど、上松さんからのファンのみんなに向けての決意表明も感じる歌詞なんですよ!!(え、これ、深読みじゃないですよね?)
 ライブの大団円に相応しい、ゴージャスさと明るさと切なさと達成感のある素晴らしい楽曲。トロッコ乗ってる映像が目に浮かぶ。七海春歌Elements Garden)さん、マジでスゴい。
 「マジLOVEキングダム」は、試聴動画などは特にないのですが、公式スペシャルライブPVの終わりの方でかかっています。挿入歌も全部いいし、演出も最高なので、みんなにマジで観てほしいな。

+α、絶頂★レゾンデートル / レオナルド・ダ・ヴィンチ(CV: 白井悠介

作詞:織田あすかElements Garden
作曲:上松範康Elements Garden
編曲:笠井雄太(Elements Garden


【GHOST CONCERT】GHOST SONG 11.「絶頂★レゾンデートル」short ver./レオナルド・ダ・ヴィンチ(cv.白井悠介)

『GHOST CONCERT』より。10選なのに、1曲多いじゃないか!と言われてしまうかもしれないのですが、年末にこんな曲出てきちゃったら仕方ないだろ!
 ジャミジャミした出だしから親しみやすいキャッチーなイントロが始まって明るい曲が始まるのか思いきや、トリッキーな音が聞こえてくるAメロで違和感に気付きはじめ、Bメロ以降は歌詞も狂気を増していくという。これはスゴい……天才にしか作れないし、天才にしか歌えない……。
 年末は講習やらなんやらで精神も体力も余裕があまりなく、お金もかなりギリギリの状況なのですが、コミケでこの曲のフル買いましたもんね。一般発売も2020年1月なので、コミケ行けなくても是非これは聴いてほしいですね……。
 ハートの女王(CV: Faylan)の1曲目「赤と黒と微笑みの完全なる支配」が公開されたときにも、作詞:畑 亜貴、作曲:上松範康Elements Garden)、編曲:菊田大介Elements Garden)の字面の強さに完全にオタクフェイスになってしまいました。というか、Faylanさんで畑亜貴×上松範康×菊田大介曲って実は初めてなの、意外すぎませんか!? 年始にもっとじっくり聴きたいと思います。
 
 
 というわけで、以上10選+αでした。

人類は『ひなこのーと』キャラソンを聴け

 人類がいま聴くべきアニソン(キャラクターソング)は何か。それは『ひなこのーと』のキャラクターソングだと思う。

 配信もサブスクもない。なぜなら円盤特典だから。そんなことが許されるのか。

 公式サイト(http://hinakonote.jp/products-bddvd.html)もなぜか3巻特典楽曲のタイトルを更新しないまま時が経っている。そんなことが許されるのか。

 楽曲派の諸君、OP・EDを聴いて満足していないだろうか。いや確かに『ひなこのーと』はOPもEDも素晴らしい。

 え、聴いたことない人がいるんですか。そんなことが許されるのか。

 ではまず聴こう。これは配信もサブスクもある。

オープニングテーマ「あ・え・い・う・え・お・あお!!
歌:劇団ひととせ
作詞・作曲:松浦勇気
編曲:睦月周平

 アップルミュージック派じゃない人のために、YouTubeの試聴も貼っておく。


TVアニメ「ひなこのーと」オープニングテーマ「あ・え・い・う・え・お・あお!!」試聴動画


 「あ・え・い・う・え・お・あお!!」は本当にスゴい。キミたち、「““大きく吸ってせーの””って『O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!』か?」とか言ってる場合ではない(気持ちはわかる)。
 

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

  • 久川凪 (CV: 立花日菜) & 久川颯 (CV: 長江里加)
  • アニメ
  • ¥250

 展開もギミックもとにかく凄まじい。ミュージカルのある意味逆で、劇の途中に歌があるのではなく、歌の途中に劇がある。作詞作曲の松浦勇気さんのアイデアも超絶的だし、この全部乗せ楽曲を聴きやすく何度も聴きたいような楽曲としてアレンジした睦月周平さんがスゴい。

 「あ・え・い・う・え・お・あお!!」については、ウレぴあ総研、住吉STRANGERさんのレビュー記事(http://ure.pia.co.jp/articles/-/74724)を読めば、すべてが伝わると思うので、これ以上詳述はしない。


エンディングテーマ「かーてんこーる!!!!!
歌:劇団ひととせ
作詞・作曲:宮原康平
編曲:久下真音

かーてんこーる!!!!!

かーてんこーる!!!!!


TVアニメ「ひなこのーと」エンディングテーマ「かーてんこーる!!!!!」試聴動画


 「かーてんこーる!!!!!」も舞台らしい要素が詰め込まれた盛り盛りな楽曲。こんなカーテンコールある? めちゃくちゃポップで全然エンディングらしい大団円な感じではない。
 いやイントロ部分からは大団円だと思っていたのだが、なんかもはやよく分からない。なんでもアリなプログレッシブな楽曲なので、まとめようがない。でも聴くとちゃんと全部まとまってるのだ。なんだそのパワーは。
 歌詞のテンションも異常に高い。こんな作品だったっけ……(ちょっと怖い)。ハイテンションでパワフルなエンディングテーマにあえてひと言だけ言うと、最後の音はわざわざ外さなくてもよかったと思う。これは解釈分かれるのかな。


 歌っている「劇団ひととせ」というのは登場キャラクターによるユニット名で、メンバーは以下の通り。

 桜木ひな子(CV:M・A・O
 夏川くいな(CV:富田美憂
 柊真雪(CV:小倉唯
 萩野千秋(CV:東城日沙子
 中島ゆあ(CV:高野麻里佳
 黒柳ルリ子(CV:吉田有里

 え、嬉しくなっちゃうメンバー陣。

 え、アニメを観たことがない。曲からハマるのもアリではないか。……曲を聴くためには円盤を買わねばならない。そこのハードルが難しい。

 KADOKAWAの偉い人、検討してくれませんか。ホントにめちゃくちゃイイ曲がこれで聴かれないの、すごく勿体ない。

 曲をオススメしたいのに、試聴もできない。いや、あくまで作品映像を買ってくれた人への「特典」として楽曲CDがついているというのは、理屈としては分かるのだが、音楽も作ってる人がいるわけで、クレジットすら出さないというのは音楽ファンとしては怒り心頭だったりする。

 ところで、作詞、作曲、編曲の情報もきちんとまとまってるサイトが無い気がする(某アニソンデータベースサイトも情報が欠けている)。

 というわけでそのへんをまとめつつ、楽曲の好きなところを少し書く。この記事を書いている人間は今人生最大の危機的なスケジュールと闘っている最中なのだが、気持ちが昂ぶってしまったので仕方ない。やりたいときにやる。

 それではここかられっつごー。


・DVD&Blu-rayひなこのーと』第1巻特典
Precious Memories
歌:桜木ひな子(CV:M・A・O
作詞:モリタコータ
作曲・編曲:原知也

 座長らしく前向きでめちゃくちゃ牽引力のあるポップな曲。
 最初にこの曲を聴いて(こんなハイレベルの楽曲が続くのか!?)と衝撃だった。この予想は裏切られるというか、どんどんスゴい曲が出てきてしまってレベルとかそういう話ではなくなってしまった。
 ここから聴き始めた人、この曲のレベルが基準になると思ってほしい。
 

テイスティング・ストーリー」
歌:夏川くいな(CV:富田美憂
作詞:真崎エリカ
作曲・編曲:矢鴇つかさ

 ごめん、まずこの曲、全部良すぎる。たぶん『ひなこのーと』のキャラソンでこの曲がいちばん好き。どこがイイのか、いや知らん。聴けばわかる。全部イイんだよ。
 Arte Refact矢鴇つかささん、本当にポップな楽曲が強すぎる。明るさも切なさもめくるめく。単純に自分の趣味嗜好にバチコーン!とハマってるドストライク楽曲っていう話ではあるんだけども。
 
 それにしても詞の元ネタになる児童文学がわかるとハチャメチャにニッコニコになってしまう。自分も小中学生時代に読んだ本ばかりでわかる~~~以外の感情がない。内容をうまく歌詞にはめてしまうの、真崎さんスゴい。
 ちなみにまとめておくと、歌詞の登場順にたぶんこの作品たち。

 1番Aメロ
 ミヒャエル・エンデ『モモ』
 サンテグジュペリ星の王子さま
 モンゴメリー赤毛のアン
 ルイス・キャロル不思議の国のアリス

 1番Bメロ
 ジュール・ヴェルヌ十五少年漂流記
 夏目漱石吾輩は猫である

 2番Aメロ
 コナン・ドイルシャーロック・ホームズ
 (アラブ諸国の昔話)『千夜一夜物語
 マーク・トウェインハックルベリー・フィンの冒険
 ウィリアム・シェイクスピア『夏の夜の夢』

 2番Bメロ
 宮沢賢治銀河鉄道の夜

 ラスサビ前
 グリム兄弟『赤ずきん

 赤毛の女の子に「がんば!」って声かけるの、めちゃくちゃカワイイね。あ、歌詞でどう歌われているかは自分で調べて理解(わか)ってほしい。


・DVD&Blu-rayひなこのーと』第2巻特典
「Sweet A La Mode」
歌:柊真雪(CV:小倉唯
作詞:真崎エリカ
作曲:黒川陽介
編曲:黒川陽介・藤井亮太

 ジャンル的にはなんだろう、ネオアコースティック、いわゆる渋谷系とは違う気がするんだけど、アップテンポめなオシャレポップ(?)
 甘さ、軽やかさ、幸せ感。現代社会が失った“余裕”はこの曲に詰まっている。特別に語ることがないくらい「カワイイ……」の気持ちであふれる。たぶんこの曲の楽しみ方はこれで正解なんだと思う。


「ドラマチックデイズ」
歌:萩野千秋(CV:東城日沙子
作詞・作曲:永塚健登
編曲:久下真音

 穏やかでありながらも軽快な楽曲に乗せて聞こえてくるハスキーで囁きのような歌声が最高。
 mk5のようなワクワクするイントロではじまり、Aメロでオシャレな顔を覗かせたと思ったら、Bメロでは一点和風な姿で登場からのボサノバなんかも挿みつつ、サビでまたオシャレでポップに転身。
 歌詞から受け取るイメージと奏でられる曲想とがピッタリきて曲中になんども衣裳を替えているのが目に浮かぶ。作詞と作曲を両方同じ方(永塚健登さん)がやっているからなのか。それにしても、女の子の可愛さをバチバチに魅せてくれる曲って超イイよなあ。


・DVD&Blu-rayひなこのーと』第3巻特典
「ときめきゆあはーと!」
歌:中島ゆあ(CV:高野麻里佳
作詞:真崎エリカ
作曲・編曲:ラムシーニ

 この曲はアニカンで河瀬タツヤさんも紹介しているが(http://anican.jp/post-108049/)、とにかくスゴい要素てんこ盛りの電波ソング。キャラクターソングはこうじゃないと意味がない。
 曲の構成もどんどん展開していくので、あっという間に中島ゆあワールドに飲まれる。有名な口上「外郎売」をラップで遊ぶあたりが演劇部らしい。2番のラップがどんどん高速化して早口言葉マシンガンで凝縮されたエネルギーがビックバンして宇宙が開闢する。

 ラムシーニさんといえば、『政宗くんのリベンジ』BD/DVD6巻特典曲「笑顔deハダピュア!」(歌:安達垣愛姫(CV:大橋彩香)& 藤ノ宮寧子(CV:三森すずこ)、作詞:yuiko、作曲・編曲:ラムシーニ)もハチャメチャに最高な楽曲なのに、特典楽曲なので全然広めるチャンスがない。でもこれも人類みんな聴くべき。少なくとも自分は人類なので聴いてる。

「爛漫ロード」
歌:黒柳ルリ子(CV:吉田有里
作詞:榎本真弓
作曲・編曲:大岡賢人

 ラスト1曲、ジャズテイストの雰囲気がどことなく陰を感じさせつつ、ノスタルジックさも感じるオトナな楽曲。しかし、歌っているのは顧問の先生(小学生)。でも背伸びしてる感じじゃないんですよ、マジでオトナ。さすが天才子役。ほらほらこういうギャップをしれっとやってしまうのがアニソンの懐の深さですよ。いやあイイねえ。
 実は作詞と作編曲の方、どちらも存じ上げなかったのだが、どちらも同人でも活動されている方のようである。作家さんたちの実績としても、やはり公式だったり情報まとめサイトはきちんと作家さんのクレジットは載せた方がいいと思うんだけどなあ。


 いやまあとにかくめちゃくちゃ名曲揃いで、名曲揃いと明言しても全然ハードルが上がらないくらいイイので、なんとかして色んな人に聴いてもらいたい。

中山真斗楽曲と『ぼく勉』サントラ

 最近のお気に入りは『ぼくたちは勉強ができない』、略して『ぼく勉』のサウンドトラック。

 作曲・編曲はすべて中山真斗さん。

 サントラがBlu-ray&DVD特典とのことで、全6巻買うのは財布に痛いな……とちょっと悲しくなっていた。しかし、サントラは第1巻のみの特典で、残りの巻にはキャラクターソングがつくとのこと。

 サントラ至上主義者にとっては1巻だけ買えばいいというのは、非常にありがたい。取り込みも楽だし、何より財布の負担が少ない。まあ結局オタクは全巻買ってしまうのだけども。


 ところでこのサントラの売り方、似たような記憶が……と思ったら、同じく中山真斗さんが劇伴担当の『B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜』もサントラが第1巻特典、残りの巻がキャラソンだった。

 ちなみに『ビープロ』のサントラは配信販売もされている。たとえばこれとか。

Welcome To B-PROJECT!

Welcome To B-PROJECT!

 

 そういえば中山真斗さんが初めて単独で劇伴を担当された『となりの怪物くん』もサントラが第3巻の特典だった。

 (ほかの巻にはドラマCDだったり、キャラクターによるデュエットカバーソングCDだったり、キャスト座談会CDがついていた。)


 中山さんが劇伴制作で関わっている作品だと、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズ(ゲーム含む)もサントラは円盤特典だし、『君と僕。』シリーズもサントラは円盤特典だった。しかも各巻分割。

 キャラクターソングも入れると『世界征服~謀略のズヴィズダー~』は各巻円盤特典だったな。

 1巻分だけだったけど、『NEW GAME!!』と『ゆらぎ荘の幽奈さん』もキャラクターソングは円盤特典だった。

 なんかひたすら「中山真斗さんが担当した劇伴・キャラクターソングはほぼ円盤特典説」を検証する記事みたいになっている。

 中山さん関連、『ダイヤのA』や『Cutie Honey Universe』はCDで出てくれた。

TVアニメ「ダイヤのA」オリジナルサウンドトラック

TVアニメ「ダイヤのA」オリジナルサウンドトラック

TVアニメ「Cutie Honey Universe」Original Sound Track

TVアニメ「Cutie Honey Universe」Original Sound Track

 円盤特典だとレンタルも配信もないので、やっぱりCDで発売されるとオタクは嬉しい。

 ちなみにちなむと中山さん関連で『枕男子』と『魔法少女なんてもういいですから。』はサントラが出ていない気がする。出ないかなあ。


 話を最初に戻す(逸れがち)。

 『ぼく勉』のサントラがめちゃくちゃ良い。買ってない人はBlu-rayか、DVD第1巻を買って聴いてほしい。円盤は価格帯が高めだし、第1巻は収納BOX付で箱がデカいけど、それでも買ってほしい。

 ていうか、まずアニメがいい。いやストーリーとキャラクターもいい。ユニットStudyが歌うOP「セイシュンゼミナール」(作詞:こだまさおり/作曲:山田高弘/編曲:齋藤真也)もED「Never Give It Up!」(作詞:川田まみ/作編曲:井内舞子)もアルティメット良い。アニプレックスの山内さんと安谷屋さんにも感謝。みんな聴いて。

セイシュンゼミナール

セイシュンゼミナール

  • Study
  • アニメ
  • ¥250
Never Give It Up!!

Never Give It Up!!

  • Study
  • アニメ
  • ¥250

 さらに円盤についてくる特典冊子に載っている数学や英語の問題も解き甲斐がある。答えもついてるけど、自分は微分をつかう問題の解き方をすっかり忘れてて、現役高校生ってめっちゃスゴいなと思った。ところで、英単語の問題は1問綴りミスがある気がする(weapってやつ、たぶんweepの誤植?)。

 なにはともあれ、『ぼく勉』全部いい。全部いいけど、今回はサントラの話だけする。
 収録曲は下記の通り。

【トラックリスト】
1 ぼくたちは勉強ができない
2 教育係を命じる
3 赤点先生
4 ぼくたちは勉強する
5 まどろみの午後
6 やっぱり見捨てるんじゃないですか
7 できない気持ちがわかるのは
8 やっかいな気持ち
9 Didn't you kiss someone?
10 微分積分スクランブル
11 好きなんだ、星
12 機械仕掛けの親指姫
13 解答欄ずれてない?
14 誰にでも一生懸命
15 KOJUTO
16 Go!Go! Athletic
17 エスケープ・フロム・ザ・スクール
18 覚えててくれたんだ
19 放課後のノクターン
20 ファットなミジンコ
21 その人物の心情を答えなさい
22 99パーセントの努力
23 唯我家の食卓
24 頭が良くなるラグタイム


 全体的に、中山さんにしてはトリッキーさが少ないというか(ほめてる)、ストレートな印象。収録された24曲からは、コミカルなドタバタ楽曲や切なくゆったりとした楽曲、ハートフルで温かみのある楽曲などなど、ジャンルの幅広さが味わえる。


 ではでは何曲かだけ感想を書くの巻。

 いちばんお気に入りの曲は7の「できない気持ちがわかるのは」。アコースティックギターによるしんみりした劇伴。タイトル通り、とても心に寄り添ってくれるあたたかい曲だと思う。

 あと、武元うるかちゃん(作品に登場するヒロインのひとりで、水泳部の元気な女の子)の一途さに心打たれているので、9の「Didn't you kiss someone?」はタイトルだけで、あのシーンを思い出してちょっと切なくなる。

 10の「微分積分スクランブル」はハチャメチャに元気なスーパー中山真斗さん楽曲で、ブラスが入ってくるあたりからウルトラハイパー中山真斗さん楽曲になる。めちゃくちゃ中山真斗さん。誰かわかってくれ。

 16の「Go!Go! Athletic」、どことなく某軽音楽アニメOPを思い出させるタイトルで、実際に後半の音が上がっていくところもなんかそんな感じがする(表現がド下手)。完全に主観だけども、こういうデジタルな楽曲を聴くと、屋内スポーツのイメージが脳内に浮かぶ。

 22の「99パーセントの努力」、すごくひたむきに頑張ってるのが重なり合う楽器の響きから伝わってくる。動く弦楽器の躍動感って、机の上で熱心にペンを走らせるのに合うんだなあって思ったり。

 ラスト、24の「頭の良くなるラグタイム」、まずタイトルが頭良すぎる。多湖輝先生(頭の体操で一世を風靡した大学教授)がつけそうなタイトルだと思う(?)。
 ラグタイム系の曲で鳴ってるヒューイ!ヒューン!みたいなカートゥーン的な音、めちゃくちゃ好き。



 さて一通り『ぼく勉』のサントラを聴いて頭が良くなったら、〆は「天才のプレイリスト」を聴いて天才になっちゃってください。

天才のプレイリスト (feat. Robby(CV:中井和哉))

天才のプレイリスト (feat. Robby(CV:中井和哉))

田代智一×高田暁楽曲の話

 いいよねっていう話。

 作曲×編曲は色々なコンビがいる。
 今回は自分の好きなコンビ、田代智一×高田暁について書く。

 なぜこのコンビなのか。
 それは突然書きたくなったからで、特に理由はない。

 以下、敬称略。一応断っておくがカップリングの話ではない。

まず:田代智一

 やはり「ハレ晴レユカイ」の作曲者というのが世のイメージである(定量的な調査は一切してないけど断言しても間違いないと思う)。

 他には
雪、無音、窓辺にて。」(『涼宮ハルヒの憂鬱』キャラクターソング、編曲:上松範康

雪、無音、窓辺にて。

雪、無音、窓辺にて。

CHOIR JAIL」(TVA『黄昏乙女×アムネジア』OP、共編曲:浦田尚克)

CHOIR JAIL

CHOIR JAIL

「Wonder Wind」(TVA『ハヤテのごとく!!』OP、編曲:前口渉

Wonder Wind

Wonder Wind

「恋のヒメヒメぺったんこ」(TVA『弱虫ペダル』劇中歌)

恋のヒメヒメぺったんこ

恋のヒメヒメぺったんこ

などの作曲者でもあるし、近年はQ-MHzのメンバーとしても活躍されている。メロディメーカーとしての地位は揺るがない。

 試聴がないのだが、TVA『おくさまは女子高生』OPの「Love Love!Chuっ Chuっ!」は1回聴いたほうがいい。

ところで:田代智一×安藤高弘

 「ハレ晴レ」編曲の安藤高弘と田代のコンビは最強だ。以下の楽曲タイトルを見れば明らかであろう。

ハルヒ関係

「止マレ!」(TVA『涼宮ハルヒの憂鬱』2期ED)

「最終未来を見せて!」

「世界が夢見るユメノナカ」

「最強パレパレード」

(「最強パレパレード」は最近モールス信号のリズムがTwitterで話題になっていたが、これが田代×安藤コンビなんだよな~と思ったのに、作編曲者に言及している人があまりいなかったのは残念であった)

TVアニメの主題歌

魔法少女マジカルたん!」(TVA『もえたん』OP)

魔法少女マジカルたん!

魔法少女マジカルたん!

「LOVE×HEAVEN」(TVA『れでぃ×ばと!』OP)

LOVE×HEAVEN

LOVE×HEAVEN

「Days」(TVA『ながされて藍蘭島』OP)

Days

Days

「ワンウェイ両想い」(TVA『けんぷファー』ED)

ワンウェイ両想い

ワンウェイ両想い

などがある。

 どれも好きなのだが、1曲だけ選ぶなら「Days」を選ぶかなあ(明日の自分に訊いたら、別の曲を選ぶかもしれないが。それくらいどれも良い)。うーん、でも「LOVE ×HEAVEN」かなあ、やっぱ。。。
 ちなみに『咲-Saki-』や『NEEDLESS』、『らき☆すた』のキャラソンなども田代×安藤コンビの楽曲があるので良かったら是非。

 余談はここまで。
 というのも田代×安藤コンビの楽曲は最強すぎるし、自分がわざわざ何か書く理由もない気がする。だから今回は作曲が田代智一で、編曲が高田暁の楽曲の話をする。
 失礼を承知で書くが、田代×高田コンビの楽曲はそんなに知名度が高くない。でもだからこそ書く価値があるのだ。

さて:高田暁

 高田暁は『ラブライブ!』をはじめとして『アイドルマスター ミリオンスターズ』などのアイドル作品への楽曲提供が多い。2次元アイドルだけでなく、声優ユニットスフィアやStylipSにも楽曲提供しているし、NMB48の「僕らのユリイカ」はアニメを観ない人でも知っているだろう(このブログを見に来るような人はアニソンを聴く層が大半のような気がするので説明不要の感もある)。

僕らのユリイカ

僕らのユリイカ

 ちなみに高田暁楽曲は素晴らしく、別記事にしたほうが良いくらい語れる。ここでは好きな曲をとりあえずあげておく。
「君にまつわるミステリー」(『氷菓』ED)

「Choose me♡ダーリン」(『この中に1人、妹がいる!』OP)

Choose me♡ダーリン

Choose me♡ダーリン

「Heavenly Lover」(『〃』ED)

Heavenly Lover

Heavenly Lover

Pride on Everyday」(『バクマン。』ED)

Pride on Everyday

Pride on Everyday

  • スフィア
  • アニメ
  • ¥250

「BINKAN♡あてんしょん」(『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』OP)

BINKAN♡あてんしょん

BINKAN♡あてんしょん

(ところでぜんぜん関係ないが、高田暁個人サイトのWorks欄がそのままWikipediaを埋め込んでいるのはめちゃくちゃ面白い。)

本題:田代智一×高田暁

 事前説明はこれくらいで良かろう。
 上述のような田代智一高田暁のコンビによる楽曲は、クレジットを見ただけでワクワクする。だからといって、キャッチーなメロディのアイドルアニメ楽曲ばかりが来るかといえば、そうは問屋が卸さない。

 以下5曲について書く。文章は読まなくていいので、とにかく曲を聴いてほしい。
 順不同。

ぎゅっとBABY☆愛なんだBABY(2011)

OVABaby Princess 3Dぱらだいす0』OP
歌:蛍・氷柱・星花(内田彩藤田咲三森すずこ
作詞:畑亜貴

 1つ目。たぶん田代×高田コンビでいちばん有名だと思う。とにかくポップでキャッチーで、CMでサビの一部を聴いて、購入を即決した記憶がある。

 作品が「電撃G'sマガジン」ד公野櫻子”ということでランティスのページには「『Baby Princess 3Dぱらだいす0』WEBラジオのパーソナリティを務める藤田 咲に加え、同じく公野作品の『ラブライブ!』のメンバーでもある“内田 彩”と“三森すずこ”も歌います!」と書いてある。

 宣伝文句だとしても、『ラブライブ!』の名前を出してしまうのはあまりに身も蓋もない気がする。とはいえメインターゲット層なだけあって、曲調も『ラブライブ!』ファンには親しみやすい。作詞が畑亜貴だからというのは言うまでもなく、編曲の高田暁もμ'sの1st「僕らのLIVE 君とのLIFE」、3rd「夏色えがおで1,2,Jump!」などのアレンジをしているといえば、誰しも合点がいくだろう。

 御託を並べずとも一聴すればすべて分かる。キャッチーなメロディのアイドルアニメ楽曲、ここに極まれり(しかし試聴が貼れないので、各自探して聴いてほしい)。

Girlish my MIGHT(2009)

『宇宙をかけるラジオ』OP
歌:獅子堂秋葉(MAKO
作詞:畑亜貴
 
 2つ目。TVアニメ『宇宙をかける少女』ED「宇宙は少女のともだちさっ」(作曲:山口朗彦 編曲:大久保薫)はかなりエネルギッシュな楽曲なのだが、c/wのこの曲も負けていない。
 ライブで映えそうな疾走感に加え、“行け!行け!”や“飛べ!飛べ!”などのコールや、キャラクターのセリフが入っていて、とにかくノリやすく盛り上がる楽曲なのだ。あと乙女らしい歌詞がかわいい。
 Bメロからサビへの解放感もたまらない。Aメロ、Bメロ、サビとメロディの域がだんだん広がっていくからなんだと思う(楽理は分からないが)。
 これも試聴が貼れなかったので、各々探して聴いてほしい。

あんたなんか!(2010)

TVA『みつどもえ』キャラクターソング
歌:杉崎みく&丸井みつば(斎藤千和高垣彩陽
作詞:yozuca*

あんたなんか!

あんたなんか!

 3つ目。小学生女子のデュエット曲は、掛け合いというよりも足の引っ張り合いで、yozuca*が作詞しているのが信じられないような歌詞である。Aメロ、Bメロとラップ調でバチバチにやり合うのが愉快なのだが、毒気はあってもイヤミがない詞が、好戦的な曲調と相俟ってコミカルに聴ける。
 ハッキリ言って“頭の悪い楽曲”なのだが、イントロからギターがカッコイイし、キメキメで、小学生とはいえ感情のぶつかり合いはガチであることを思い知らされる。
 間奏のサンプリングされたセリフ、そして大サビでの歩み寄りを匂わせてからのオチまで完璧なので、ラストまで聴いてほしい。

予感、咲きました!(2009)

TVA『咲 -Saki-』キャラクターソング
歌:宮永咲植田佳奈
作詞:畑亜貴

 4つ目。アルバム『咲-Saki- THE 夢のヒットスクエア』に収録されている。
 イントロからAメロの転調(たぶん長2度下)が唐突で、いきなりAメロ暗いな!と感じるのだが、Bメロを経て、サビで帰ってくるとこれが明るく感じられる。この明るさが、予感が咲いたことを音から表現しているように思える。
 またサウンドから感じられる浮遊感やキラキラ感が、曖昧なんだけどもしっかり期待や希望を伝えてくれる。詞と曲が同じ方向を向いていると強いなあ。

(ちなみに同じアルバム収録の田代智一の楽曲「逃しません…ですわ!」(歌:龍門渕透華(茅原実里)、編曲:近藤昭雄)はめちゃめちゃオシャレで、超オススメ。この記事の流れで言うなよ……という話ではあるが。)

タタカエ☆モラリズム(2009)

TVA『けんぷファー』キャラクターソング
歌:瀬能ナツル(井上麻里奈)・沙倉楓(中島愛
作詞:こだまさおり

タタカエ☆モラリズム

タタカエ☆モラリズム

 5つ目。最後に紹介するにしてはあまり派手な曲とも言えないのだが、エンディング然としていて味わい深い。
 「ワンウェイ両想い」のc/wとして収録されている同曲は、田代のメロディセンスもさることながら、高田のアレンジが輝いている。
 ウィスパーボイスやサビの後ろでフシギなリズムをポコポコ刻んでいる楽器があるが、トロピカルな印象でこれがすごく良い(楽器の名前もリズムの名称もよく知らないが、とにかく良い)。

おわりに

 お気付きだと思うが、田代智一×高田暁楽曲は2009~2011年、ランティスレーベルから発売されたキャラクターソングが中心である。
 おそらく当時のランティスプロデューサーの采配によって誕生した偶然の組み合わせなんじゃないかと思う。だからきっと、これから新しい田代×高田楽曲を耳にすることはないだろう(あってほしいのだが)。

 キャラソンアルバム収録曲やカップリング曲となると、自然に聴けるチャンスは少ないし、アニメ放送から何年も経過してしまうとイベントで披露される機会もほとんどない。しかし作家は本気で作っているから、意外な面白い楽曲が眠っているし、動画サイトやサブスクリプションサービスで1曲単位で気軽に聴けるようになった今だからこそ掘り起こす意義もある。

 それではまた、何か書きたくなったら。

2018年アニメ音楽10選

眠れないのと、流行ってるのとで書こうと思った(軽率)。

でもどれが今年の曲なのか分からないし、そもそもあんまりアニメの音楽を聴けていない。

だから知ってる中から、思いついた順に書いた。
一応、今年CDとして発売された楽曲ということで。れでぃごー。

1、「トキメキアンテナ」
歌:るか・りえ・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:こだまさおり
作曲・編曲:石濱 翔(MONACA

【アイカツ!フォトonステージ!!】オリジナル新曲ルミナス「トキメキアンテナ」プロモーションムービー(フォトカツ!)
Kawaii make MY day!」と同じくらい好き。
石濱さんは「Pretty Liar」もめちゃめちゃよかったけど、CDが出てないから対象外になった。ごめんな。


2、「†吸tie Ladies†」
歌:ソフィー・トワイライト (富田美憂), 天野灯 (篠原 侑), 夏木ひなた (Lynn) & エリー (和氣あず未)
作詞・作曲・編曲:園田健太郎

†吸tie Ladies†

†吸tie Ladies†

  • ソフィー・トワイライト (CV: 富田美憂), 天野灯 (CV: 篠原 侑), 夏木ひなた (CV: Lynn) & エリー (CV: 和氣あず未)
  • アニメ
  • ¥250
「夜に起きて昼寝る そんな存在がいてもいい」は私信。ところでアニメはまだ1話も観ていない。


3、「ノスタルジックレインフォール」
歌:CHICO with HoneyWorks
作詞・作曲・編曲:HoneyWorks

CHICO with HoneyWorks『ノスタルジックレインフォール』
アニメがよかった補正込み。こういう曲の終わり方、カッコいいよね。


4、「オトモダチフィルム」
歌:オーイシマサヨシ
作詞・作曲・編曲:大石昌良

オーイシさんはOxTの「UNION」もよかったけど、こっちが好き。『多田くんは恋をしない』はEDも好きで、石見さんの声がよかった。


5、「未来エピローグ」
歌:衛藤可奈美(本渡楓)、十条姫和(大西沙織)、柳瀬舞衣(和氣あず未)、糸見沙耶香(木野日菜)、益子薫(松田利冴)、古波蔵エレン(鈴木絵理
作詞・作曲・編曲:Motokiyo

未来エピローグ

未来エピローグ

Motokiyoさんは個人的に近年アツい。


6、「逆光」
歌・作詞:坂本真綾
作曲:伊澤一葉
編曲:伊澤一葉、江口 亮

逆光

逆光

友人に薦められたから聴いた。なんか超よかった。「Be mine!」ぶりの坂本真綾さん、超超よかった。


7、「Bitter Silver」
歌:空銀子(金元寿子)
作詞:ミズノゲンキ
作曲・編曲:睦月周平

「りゅうおうのおしごと!」Blu-ray Vol.2 封入特典キャラクターソング ダイジェスト試聴
姉弟子はかわいい。


8、「リコリスの森」
歌:一十木音也(寺島拓篤)・一ノ瀬トキヤ(宮野真守)・神宮寺レン(諏訪部順一)・愛島セシル(鳥海浩輔
作詞:上松範康Elements Garden
作曲・編曲:藤田淳平Elements Garden

リコリスの森

リコリスの森

藤田淳平教徒としては今年はこれ。みんな「While ambitions」大好きみたいだけど。


9、「Hollow love」
歌:レナ(内田真礼
作詞:桑島由一
作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden

Hollow love

Hollow love

「この道をあなたと」も秀逸だった。超好き。歴代のエレガ楽曲の中でもトップクラスにお気に入り。


10、「ガールズコード」
歌:Poppin'Party
作詞:中村 航
作曲・編曲:藤永龍太郎Elements Garden

ガールズコード

ガールズコード

  • Poppin'Party
  • アニメ
  • ¥250
エモかった。バンドリはいいね。
藤永さんの人気がどんどん上がっていくのを感じた1年だった(誰目線)


エレガ楽曲が多いのは、追わなきゃと思って頑張ってたからで、下半期はアニメをぜんぜん見られなかったからアニメの曲は正直あんまり分からなかった。

フェスもアニクラも行かないので新しい音楽にも触れる機会ないし。逆にみんな、アニメや声優の曲詳しすぎじゃない?


CD化されてないけど、今年はVの者(バーチャルYouTuber)のイメージソングもめっちゃよかったね。プロたちが作ってた。

アドベントの記事をこっそり毎日読んでたけど、クッソエモかった。イメソン部、ひそかに応援してる。KANA-DERO、楽しみにしてる。


来年も消費者としてたのしむぞい。

2010年代の代表的アニソン作家3人

 あくまで個人の意見であることを断っておくが、まず結論から書こう。
 田中秀和堀江晶太田淵智也。以上3人だ。

* * *

 今から遡ること数年、00年代(2000~2009年)のアニソンを総括する番組がNHK BS2で放送された。その番組のコーナー「00年代アニソン酒話」では神前暁上松範康田代智一という時代を彩った作曲家3人による鼎談がなされた。

 神前暁といえば、音楽クリエイター集団MONACAに所属し、挙げきれないほどの名曲を作った、言わずと知れた作曲家である。

 あえて代表作をあげるとすれば、
・『らき☆すた』主題歌「もってけ!セーラーふく

・『涼宮ハルヒの憂鬱』劇伴
・同挿入歌「God knows...
God knows...

God knows...

・『かんなぎ』劇伴
・同主題歌「motto☆派手にね!
motto☆派手にね!

motto☆派手にね!

  • 戸松 遥
  • アニメ
  • ¥250
・『〈物語〉シリーズ』劇伴
・同各主題歌などなど

 こうした“神前の楽曲”を、略して“神曲”と呼んでも一切過言ではない。


 上松範康は、音楽クリエイター集団Elements Garden代表にして、数々の有名楽曲を手がけたスーパーメロディメーカーである。

 代表作としては
・『魔法少女リリカルなのはA's』OP「ETERNAL BLAZE

ETERNAL BLAZE

ETERNAL BLAZE

・『H2O』OP「片翼のイカロス」
片翼のイカロス

片翼のイカロス

・『ロザリオとバンパイア CAPU2』OP「DISCOTHEQUE」
DISCOTHEQUE

DISCOTHEQUE

・『WHITE ALBUM』OP「深愛
深愛

深愛

などなど

 水樹奈々を2009年末紅白歌合戦の舞台に引き上げた立役者であり、2010年代には原案を務める『うたの☆プリンスさまっ♪』や『戦姫絶唱シンフォギア』を大きく花開かせた。

 上松の上(あげ)は時代を意味する英語Ageで間違いない。"Age"matsu's "Age"だ。


 田代智一は現在音楽クリエイター集団Q-MHzのメンバーとしても活躍している。

 そんな田代の代表作といえば
・『ながされて藍蘭島』OP「Days」

Days

Days

・『あかね色に染まる坂』OP「初恋パラシュート
初恋パラシュート

初恋パラシュート

 といった楽曲のほか、

 アニソンにパラダイムシフトを起こした
・『涼宮ハルヒの憂鬱』ED「ハレ晴レユカイ」(作曲)

などがある。

 他にも
・同キャラクターソング「雪、無音、窓辺にて。」の作曲も広く知られていよう(なお編曲は上松範康)。

雪、無音、窓辺にて。

雪、無音、窓辺にて。

 2010年代にはこんな楽曲もつくっている。
・『弱虫ペダル』挿入歌「恋のヒメヒメぺったんこ」

恋のヒメヒメぺったんこ

恋のヒメヒメぺったんこ

 田代はさながらアニソン史に燦然と輝く城郭、“た城”と呼んでもいいだろう。


 人の名前で遊ぶのはこの辺にして、冒頭に触れたアニソン酒話の放映から8年が経過した。2018年、まもなく2010年代も終わろうとしている。
 00年代を「ゼロ年代」と言うように、2010年代は「テン年代」という言い方があるようだが、ブログでは2010年代という呼称を用いている(なお平成という元号が終わりそうなので、平成のアニソン総括もすべきなのであろうが扱わないし、それは筆者力不足のため扱えない)。

 前置きが長くなった。だがここからも長い。

 ゼロ年代を代表するアニソン作曲家が神前、上松、田代の3人だとして、2010年代を代表するアニソン作曲家3人を挙げるとしたら誰が妥当か、それを考えるのが本記事の目的である。


 2010年代のヒット曲をつくった作曲家といえば、

渡辺翔
・『魔法少女まどか☆マギカ』OP「コネクト」

コネクト

コネクト

・『ソードアート・オンライン』OP「crossing field
crossing field

crossing field

  • LiSA
  • アニメ
  • ¥250

前山田健一ヒャダイン
・『日常』OP「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイーC」

・『モーレツ宇宙海賊』OP「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」

ZAQ
・『中二病でも恋がしたい!』OP「Sparkling Daydream

Sparkling Daydream

Sparkling Daydream

  • ZAQ
  • アニメ
  • ¥250
・『ようこそ実力至上主義の教室へ』OP「カーストルーム
カーストルーム

カーストルーム

  • ZAQ
  • アニメ
  • ¥250
・劇場版『ラブライブ!』挿入歌「僕たちはひとつの光」(作曲)
僕たちはひとつの光

僕たちはひとつの光

  • μ's
  • アニメ
  • ¥250

大石昌良オーイシマサヨシ
・『月刊少女野崎くん』OP「君じゃなきゃダメみたい」

・『けものフレンズ』OP「ようこそジャパリパークへ など枚挙に暇がない。

 Tom-H@ck黒須克彦宮崎誠俊龍高田暁山口朗彦、kz、ヒゲドライバー佐藤純一滝澤俊輔睦月周平中山真斗加藤裕介、やしきん、増谷賢、北川勝利、清竜人本多友紀、EFFY、園田健太郎y0c1eなども挙げたい(個人的趣味を中心に挙げてみたが、ホントに言及しきれない)。

 いや2010年代もなお、神前、上松、田代の活躍は見逃せないから、ゼロ年代からの2冠でも良いかもしれない。はたまた「紅蓮の弓矢」のrevoや「前前前世」の野田洋次郎も含むかもしれない。


 しかし!ただ!敢えて3人!
 そう、3人だけを挙げるならば!筆者は以下の3人を挙げたい。

 田中秀和堀江晶太田淵智也である。
 以下、彼らの推しポイントを書く。


 田中秀和MONACA所属で、神前の弟子にあたる作曲家である。

 彼の楽曲は
・『這い寄れ!ニャル子さん』OP「太陽曰く燃えよカオス

・『這い寄れ!ニャル子さんW』OP「恋は渾沌の隷也・『アイカツ!』ED「カレンダーガール」
カレンダーガール

カレンダーガール

  • わか・ふうり・すなお from STAR☆ANIS
  • アニメ
  • ¥250
・『ハナヤマタ』OP「花ハ踊レヤいろはにほ
花ハ踊レヤいろはにほ

花ハ踊レヤいろはにほ

など

 その作品ファンでなくとも一度ならず耳にしたことがあるであろう名前がズラリと並ぶ。
 『Wake Up, Girls!』では、
・挿入歌「極上スマイル」

極上スマイル

極上スマイル

  • I-1 Club
  • アニメ
  • ¥250
・劇場版主題歌「Beyond the Bottom
Beyond the Bottom

Beyond the Bottom

少女交響曲
少女交響曲

少女交響曲

・キャラクターソング「オオカミとピアノ」
オオカミとピアノ

オオカミとピアノ

「ステラ・ドライブ」
ステラ・ドライブ

ステラ・ドライブ

 など、同作のファンたち(いわゆるワグナー)が熱烈に支持する楽曲の多くを担当しており、作詞をユニットメンバーが行った楽曲「Polaris」はファン人気投票で1位を獲得するほどであった。
Polaris

Polaris

 
 さらに、
・『アイドルマスター シンデレラガールズ』OP『Star!!
Star!!

Star!!

  • CINDERELLA PROJECT
  • アニメ
  • ¥250
・『灼熱の卓球娘』OP「灼熱スイッチ」
灼熱スイッチ

灼熱スイッチ

  • 雀が原中学卓球部
  • アニメ
  • ¥250

 などでは、楽曲のメロディや独特のコード進行が後続の作曲家に与えている影響は計り知れない。
 例えば最近の筆者のお気に入りであるバーチャルライバーVTuber月ノ美兎のテーマソングともいえる「Moon!!」(作詞・作編曲:iru)は構成などから「Star!!」の影響が強く覗える。

 また、同じくVTuberの もこ田めめめイメージソング「めめめドリーミング」(作編曲:Aire)もコード進行などから田中秀和成分を感じとれる。
 これはVTuberが流行れば流行るほど、MONACA 田中秀和の功績も高まることを意味するのではないだろうか……?などと思いながら聴くこともしばしばである。

 田中秀和、彼は有無を言わせず2010年代アニソン作曲家に相応しい人物であろう。ゼロ年代を代表する作曲家神前暁のもとに、田中秀和の活躍がある。このことは肇国以来の寿ぐべき歴史的大事件であろう。

 また彼らの所属するMONACAは、大ヒットゲーム『ニーア』シリーズの音楽などを手がけた代表岡部啓一、劇場版アイドルマスター〈物語〉シリーズほかで劇伴を担当する高田龍一、『アイカツ!』シリーズでファンから絶大の支持を集める楽曲の数々を生んだ石濱翔、忍者帆足圭吾、奇想天外で時にトリッキーかつアグレッシブな楽曲を作る広川恵一など逸材揃いであり、今後もアニメ音楽業界を率いていくに違いない。



 続いては堀江晶太である。
 ボカロP、kemuとして
・「六兆年と一夜物語

六兆年と一夜物語 (feat. IA)

六兆年と一夜物語 (feat. IA)

  • kemu feat.IA
  • アニメ
  • ¥200
・「敗北の少年」
敗北の少年 (feat. GUMI)

敗北の少年 (feat. GUMI)

  • kemu feat.GUMI
  • アニメ
  • ¥200
・「地球最後の告白を」
地球最後の告白を (feat. GUMI)

地球最後の告白を (feat. GUMI)

  • kemu feat.GUMI
  • アニメ
  • ¥200
 などの有名楽曲を制作したほか、

 PENGUIN RESEARCHのメンバーとして
・『デュラララ!!×2 結』OP「ジョーカーに宜しく

ジョーカーに宜しく

ジョーカーに宜しく

・『Re:LIFE』OP「ボタン」
ボタン

ボタン

 などを作曲している。

 彼はアーティスト提供曲もキャッチーな楽曲揃いであり、
・『無彩限のファントムワールド』ED「純真Always」(田所あずさ

純真Always

純真Always

・『ばくおん!!』OP「FEEL×ALIVE」(佐咲彩花)
FEEL×ALIVE

FEEL×ALIVE

・『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』OP「Sincerely」(TRUE)
Sincerely

Sincerely

  • TRUE
  • アニメ
  • ¥250
 など多くの主題歌を担当した。

・『魔法科高校の劣等生』OP「Rising Hope」(LiSA、作詞・作曲は田淵智也)もまた2010年代を代表するアニソンといえるだろう。

Rising Hope

Rising Hope

  • LiSA
  • アニメ
  • ¥250

 一聴でわかるほどの記名性の高さは堀江節とでも呼ぶべきものであり、激烈なパワーとスピードが炸裂したかと思えば、心の琴線に触れる優しいピアノが染み渡る達成感すら覚えるメロディセンスが発揮されることもある。
 本論とは少し逸れるかもしれないが、美少女ゲーム『ちいさな彼女の小夜曲』OP「マリンブルーに沿って」など流れるような爽快感も魅力であり、同曲やシリーズの楽曲の根強いファンも多い。

 唯一無二、堀江楽曲の快感はライブで最も映えるものであり、こうした楽曲の方向性は今後も継承されていくものと信じる。


 一般の人でもその名をご存知であろう田淵智也UNISON SQUARE GARDENのメンバーであり、
・『TIGER & BUNNY』OP「オリオンをなぞる

オリオンをなぞる

オリオンをなぞる

・『夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜』OP「桜のあと (all quartets lead to the?) 」・『血界戦線』ED「シュガーソングとビターステップ などなど、発表されれば話題性バツグン。ユニゾンの楽曲はアニソンファンにもどんどん求められるようになる。

 彼によるアーティスト提供楽曲は、
・『となりの怪物くん』OP「Q&Aリサイタル!」(戸松遥

Q&A リサイタル!

Q&A リサイタル!

  • 戸松 遥
  • アニメ
  • ¥250
・『俺、ツインテールになります』OP「ギミー!レボリューション」(内田真礼
ギミー!レボリューション

ギミー!レボリューション

・劇場版『ソードアート・オンライン』主題歌「Catch the Moment」(LiSA)
Catch the Moment

Catch the Moment

  • LiSA
  • アニメ
  • ¥250
 などフェス型のアニソンライブでも誰もが知っているアンセムばかりである。とにかくノれるポップでキャッチーなメロディ、そして口ずさみたくなるリズム感のいいリリックは中毒性が高い。好きになっちゃうビームでも出ているのではなかろうか。

 なおゼロ年代代表作曲家の田代智一とは「田○智○」つながりで、「田っ智レディオ」というネットラジオ番組を制作しているほか、『夜桜四重奏』つながりで畑亜貴黒須克彦とともにQ-MHzを結成、アーティストへの楽曲提供、プロデュースも行っている。いわゆるアニソン的枠組みでは括れない活躍のおかげで、却ってアニソンのファン層が拡大させた功績はあまりにも大きい。


 田中秀和堀江晶太田淵智也。この3人を2010年代を代表する作曲家としたのは、上記の優れた楽曲群の評価だけに由来するわけではない。近年のアニソンに彼らの楽曲の影響が多く感じられるからでもあり、2020年代に有名になるアニソン作家は彼らをリスペクトして、作家の道を志す者が少なからずいると信じるからである。


* * *

 以上はひたすら印象論である。
 ただし、筆者と同じようなことを考えたことのある者のみ共感しうる内容であろう。大いに賛成する者があれば追随して作曲家を讃える記事を書いてほしい。

 しかし一方で読者は時に反発を覚えるであろう。それも筆者の望むところである。この記事によって、2010年代のアニソンを総括し、また個々人の基準によって代表的作家を3人選出する。そうした議論の機運が盛り上がれば、嬉しく思う。

 ところで田中、堀江、田淵の鼎談が見たい。聞きたい。誰か頼む!強く頼む!!(他力本願)